最近はまってるポエトリーリーディングやポエトリーラップと呼ばれるジャンル。
ポエトリーリーディングという言葉自体は、詩人が自身の詩を朗読することを指すんですが、トラックに乗せて詩をラップのように歌う人たちがいます。
一言で言うとリアル、とにかくリアル。誰もが共感するような感情をリアルな歌詞で表現してくれます。
そんなポエトリーラップの個人的に超おすすめアーティストを紹介します。
狐火
派遣社員をやりながら音楽をやってたからこそ書ける、アラサーの苦悩をこれでもかと言うくらいリアルに表現する「狐火」と言うアーティスト。
普通に仕事終わりでワイシャツ着たままライブして、熱い言葉が次々にでてきて僕らの気持ちを代弁してくれます。
狐火 27才のリアル
ちょうど27、28歳は分岐点だと思います。30歳目前になって、目に見えた結果は出てなくて、そろそろ人生のレールを切り替えるか、そのまま進み続けるかを考え出す頃。
仕事を探してもこの歌詞のように惨めな思いを噛み締めながら、それでも生きていかなくちゃいけない辛さ。
深夜1人で偉人の名言集を読み自分を励まし、偉人にでもなったかの様な気持ちでいるのに
面接時 会社のドアの前を何回も電話してるフリして行ったり来たり、
気付けばコンビニのビール売り場を見つめる
出典:狐火 27才のリアル
狐火 27才のリアル~空也MCのREMIX~
こちらは空也MCというラッパーのリミックス版。こっちもとんでもないリアルが歌われます。
上京して夢を追ってる人の誰にも言いたくない心に隠し持ったガチ本音。
売れない日々が続くと、元々は良い音楽を作って音楽で飯を食うのが目標だったはずなのに、いつの間にか周りを認めさせること自体が目標になってくるんですよね。
でも本当は地元の飲み会で友人を認めさせるだけの結果が欲しい
でも本当は久しぶりに帰ってきた実家で胸を張って話せる結果が欲しい
出典:狐火 27才のリアル~空也MCのREMIX~
狐火 肩車
父親との思い出について書かれた曲。
自分の父親は小学生の時に亡くなりましたが、うろ覚えの父親との記憶が蘇りますね。
親のこころを子は知らずして育つけれど
育つ間にそのこころはずっと染みついていて
一生、色があせる事はない
出典:狐火/肩車
不可思議/wonderboy
24歳で事故によりこの世を去ってしまったポエトリーラッパー。日本のポエトリーリーディングと言えばこの人。2011年に日本を代表する詩人の谷川俊太郎公認で「生きる」と言う詩を音源化してます。
彼の死後、ドキュメンタリー映画が製作されています。
Living Behavior 不可思議/wonderboy人生の記録 [DVD]
不可思議/wonderboy Pellicule
この人声がすごくいいですよね。言葉が聴き取りやすいし、脳みそにダイレクトに想いが伝わってくる。
未来への不安を噛み締めながら、始まってすらいないと強がっている大人になりきれない若者の苦悩が描かれています。
不可思議/wonderboy 世界征服やめた
相対性理論の曲「バーモント・キッス」をサンプリングした曲。
真っ暗な宇宙の中で、自分の進む道がどこに辿り着くかもわからない中で、10年後の自分を信じて、詩を書き続ける宣言をする。
不可思議/wonderboy いつか来るその日のために
トラックと詩と声がとてもマッチしてます。なんかこの曲聴いてると、すごいクサイですが未来に向かって進もうと思っちゃうんですよね。
「待ってろ未来、すぐに行く」が名言すぎて泣ける
MOROHA
「ブルーハーツ以来の衝撃」と称される、MCのアフロとギターのUKの2人組。
MOROHAを聴いて何も感じない日本人はいないと思う。それくらい全人類の何かしらに突き刺さるメッセージ性と情熱。
MOROHA 三文銭
クールな人間でもこれを聴くと熱いやつに変わってしまう。忘れていた情熱を思い出させてくれる。
5:39〜からの語りはすごく突き刺さります。
俺達は真っ当は真っ当なりに、職場の上司も殴れずに、バイトのブッチも出来ずに、
今日の昼飯代を考えて、目の前の人を好きだって言って、告白する時は足震えて、
自分に可能性があんのか出来んのかどうか迷いながら、迷いながら迷いながら、
迷った結果、踏み出す一歩が、
俺はロックンロールだと、俺はヒップホップだと、パンクロックだと思うんだよね。
違うかい。群馬フェス。そうやって出来上がったフェスだと思うんだよね俺は。違うかい。
ぶっ飛んでなくていいぜ。いかれてなくたっていいぜ。普通でいいんだ。
真っ当は真っ当なりにお前を全うしろよ。俺は俺を全うするよ。
また必ず会いましょう、ありがとうございました。
出典:MOROHA 三文銭
MOROHA バラ色の日々
映像作家のエリザベス宮地さんという方が、昔の恋人と交際していた間に撮った写真や映像で構成されているPV。
出ている女性は高木みゆさんという写真家さんです。これを見ていると、全男性が自分の元カノ思い出すんじゃないだろうか。
MOROHA 遠郷タワー
夢を追いかけているけど、中々上手くいかずに、自分のプライドや自尊心が崩れ落ちそうでボロボロになりながらも、なんとか自分が今まで培ってきたものとか、それに対する強い想いにすがって、その気持ちだけを信じて、1日1日を暮らしていて。
まだどこかで自分の才能を信じていて、いや実は才能なんかないのは薄々気づいてて、でもそれが自分という存在の全てだから、そんな簡単に諦めるわけにはいかなくて。
諦めると自分の今までの人生とか、その夢に賭けた思いとか、そんなものが全て無かったことになりそうで、生きる意味を無くしてしまいそうで。
でも日々は刻々と過ぎて行って、周りと比べて自分の立ち位置を確認して凹んで、それでもどうにかもがいている。
という昔の私のような過去がある人や、現在進行形で夢を追っている人にはグサグサ突き刺さる。
神門
神戸在住のラッパー神門(ごうど)。
神門 夢をあきらめて現実を生きます
12分もある大作なのに、いつまにか聞き終えてます。ラッパーを諦めて、公務員試験を受ける事を決意する。その過程での自問自答や苦悩、夢と現実への葛藤を赤裸々に語ります。
最後まで聴くと「夢をあきらめて現実を生きます 」という言葉の本当の意味がわかります。
神門 なら、こう生きよう
自分の進む道が、本当にこれで大丈夫なのかと不安になったりするタイミングって、誰しも人生で絶対にあると思います。
そういう迷いを確信へと変えてくれる曲。
今日できなくって明日やれるか
現世でできなく来世やれるか
出典:神門 なら、こう生きよう
SHU-THE
東京都江戸川区のラッパー。
女性目線の恋愛ソングがあったり、夏や少年時代などの情景が思い出される曲だったり、ノスタルジックな曲が多くて好きです。
SHU-THE 夕まづめに言うはずで
あの超有名な恋愛ゲーム「AIR」のBGMである、夏影をサンプリングしたトラック。
SHU-THE 立夏
江ノ電、麦わら帽子、ビーサン、白いワンピース、入道雲、蝉時雨。
これでもかと夏のワードが散りばめられていて、強制的に夏を感じさせてくれます。
SHU-THE あの夏の日の
小学生の頃の夏休み、一日中遊びまくって疲れ切って寝る毎日。あの頃が人生のピークですね。
個人的にはSHU-THEの中でも、こういう夏っぽい曲が一番好み。
靴飛ばしや缶蹴りに人生を賭けてた
マンネリの世界からは無縁の生活
出典:SHU-THE あの夏の日の
まとめ
個人的に心に刺さったポエトリーラッパーのおすすめでした!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!